「大卒資格が欲しいけど、仕事を辞めるわけにはいかない」「学び直しをしたいけど費用が心配」という社会人の方にとって、通信制大学は現実的で有力な選択肢です。
通信制大学なら自宅にいながら学位を取得でき、学費も通学制と比べてかなり抑えられます。この記事では、社会人におすすめの通信制大学を厳選し、学費・カリキュラム・サポート体制などを比較しながら紹介していきます。

通信制大学とは?基本をおさらい
通信制大学とは、テキスト学習やオンライン授業を中心に、通学せずに大学教育を受けられる課程のことです。文部科学省に認可された正規の大学であり、卒業すると通学制と同じ「学士」の学位が授与されます。
通信制大学の特徴
- 学費が通学制の3分の1以下に抑えられるケースが多い
- 入学試験は書類選考のみの大学がほとんど
- 自分のペースで学習を進められる
- 働きながら、育児をしながらでも学位取得を目指せる
- 全国どこからでも受講可能
社会人におすすめの通信制大学
ここからは、社会人が学びやすい通信制大学を紹介します。学費・学べる分野・サポート体制を比較しながら、自分に合った大学を探してみてください。
放送大学
放送大学は、通信制大学の中で最も知名度が高く、40年以上の実績を持つ大学です。教養学部として6つのコースが用意されており、400以上の科目から自由に選択できます。
学費は入学金2万4,000円、1科目(2単位)1万2,000円で、卒業までの総費用は約76万8,000円が目安です。科目ごとに支払えるため、経済的な負担を分散できるのが魅力です。
東京通信大学
東京通信大学は、4年間の学費が約83万4,000円からと非常にリーズナブルです。1回約15分の授業動画で構成されており、スマートフォンやPCで隙間時間に効率よく学べる設計になっています。
情報マネジメント学部と人間福祉学部があり、IT系のスキルを身につけたい方や福祉分野で活躍したい方に適しています。スクーリングなしで卒業できるコースも用意されています。
ただ、スマホやタブレットを手に持ったまま授業動画を見続けると、通勤中や寝る前の視聴が思ったより疲れるという声もあります。机やベッドサイドに固定できるスタンドがあると、隙間時間の受講のハードルが下がります。
サイバー大学
サイバー大学はソフトバンクグループが運営する完全オンラインの大学です。通学は一切不要で、すべての授業がインターネット上で完結します。
IT総合学部ではビジネスとテクノロジーの融合を学べるカリキュラムが組まれており、卒業率75.9%は通信制大学としては高い水準です。4年間の学費は約280万円程度と通信制の中ではやや高めですが、完全オンラインの利便性を重視する方に選ばれています。
ZEN大学
ZEN大学は、KADOKAWAとドワンゴが設立に関わった新しいスタイルのオンライン大学です。年間授業料は38万円で、4年間で約152万円からとなっています。
日本財団ZEN大学奨学金を利用すれば授業料全額免除の制度もあり、デジタル分野やコンテンツ制作に興味がある方に注目されています。
産業能率大学 通信教育課程
産業能率大学はマネジメントや経営学を中心に学べる通信制大学で、社会人の実務に直結するカリキュラムに定評があります。ケーススタディを通じた実践的な学びが特徴です。
年間の学費は約23万円程度で、4年間で約92万円からとなっています。卒業率も通信制大学の中では比較的高めです。
日本大学 通信教育部
日本大学の通信教育部は、法学部・商学部・文理学部・経済学部の4学部を設置しており、通信制大学の中では学部の選択肢が豊富です。学費は年間10万円程度からと手頃で、スクーリングは各地で実施されています。

通信制大学の学費を比較
通信制大学の学費は、大学によって大きく異なります。4年間の目安をまとめました。
- 放送大学:約76万8,000円
- 東京通信大学:約83万4,000円〜
- 日本大学 通信教育部:約50万円〜
- 産業能率大学:約92万円〜
- ZEN大学:約152万円〜
- サイバー大学:約280万円
通学制の私立大学(約400〜500万円)と比べると、半額以下〜5分の1程度の学費で学位を取得できます。
通信制大学を選ぶときの5つのポイント
1. 学びたい分野があるか
大学によって設置学部は異なります。IT系ならサイバー大学や東京通信大学、法律・経済なら日本大学、教養全般なら放送大学といった具合に、目的に合った大学を選びましょう。
2. スクーリングの負担
完全オンラインで卒業できる大学もあれば、一部スクーリング必須の大学もあります。通学が難しい方は、スクーリングなしで卒業可能かどうかを確認してください。
3. 卒業率とサポート体制
通信制大学の卒業率は通学制より低い傾向があります。学習アドバイザーの配置、オンラインでの質問対応、学生同士の交流の場など、サポート体制が充実している大学を選ぶと卒業しやすくなります。
大学側のサポートと同じくらい効いてくるのが、自宅で学習に入り込めるかどうかです。家族の生活音やテレビの音が気になって手が止まってしまうという方は、周囲の音を抑えられるイヤホンを用意しておくという手もあります。
4. 取得できる資格
教員免許、社会福祉士受験資格、図書館司書など、大学によって取得可能な資格は異なります。資格取得が目的であれば、対応している大学を優先的に検討しましょう。
5. 学費以外の費用
テキスト代、スクーリング費用、科目試験の受験料など、学費以外にかかるコストも比較材料に含めてください。見落としがちな費用をトータルで計算することで、正確なコスト比較ができます。

通信制大学で学ぶコツ
スケジュールを先に確保する
「空いた時間に勉強しよう」と考えていると、なかなか時間が取れないものです。週に何時間、どの曜日に学習するかを先に決めて、予定表に組み込んでおきましょう。
決めた時間を守り続けるには、勉強した時間が目に見える形で残っていると振り返りやすくなります。累計の学習時間を記録できるタイマーを机に置いている社会人学生も少なくありません。
最初から飛ばしすぎない
入学直後は意気込んで多くの科目を履修しがちですが、仕事と両立するなら1学期に2〜4科目程度から始めるのが無理のないペースです。慣れてきたら科目数を増やしていきましょう。
科目履修生として体験してみる
多くの通信制大学では、正式入学前に1〜2科目だけ受講できる「科目履修生」制度があります。大学の雰囲気や授業のレベルを確認してから入学を決められるので、ミスマッチを防げます。
Q&A|通信制大学についてよくある質問
Q. 通信制大学は「恥ずかしい」って本当?
通信制大学に対して「恥ずかしい」というイメージを持つ方もいますが、これは偏見によるところが大きいです。文部科学省に認可された正規の大学であり、卒業すれば通学制と同じ学位が取得できます。社会人が働きながら学び直す姿勢はむしろ評価されることが多いです。
Q. 3年次編入とは?
短大や専門学校を卒業している方、大学を中退した方は、3年次編入制度を利用して通信制大学の3年生からスタートできます。すでに取得した単位が認定されるため、最短2年で学士の学位を取得可能です。多くの通信制大学がこの制度を設けています。
Q. 通信制大学の卒業は難しい?
通信制大学の卒業率は通学制より低い傾向がありますが、最大の理由はモチベーション維持の難しさです。学習計画を立てて習慣化すること、困ったときに相談できる窓口を活用することが卒業への近道です。BrushUP学びなどのポータルサイトで各大学の卒業率やサポート体制を比較してみるのもおすすめです。
Q. 通信制大学の学位は就職・転職で使える?
はい、文部科学省認可の通信制大学の学位は通学制と同等です。「大卒以上」が条件の求人にも応募可能です。
Q. 社会人でも入学できる?年齢制限はある?
高校卒業資格があれば入学可能です。年齢制限はなく、20代から60代以上まで幅広い年代の方が在籍しています。
Q. 教育訓練給付金は使える?
厚生労働省の教育訓練給付制度の対象になっている通信制大学の講座もあります。雇用保険の加入期間などの条件を満たせば、学費の一部が支給されます。対象講座かどうかは各大学の公式サイトで確認してください。
Q. 卒業するのにどれくらいかかる?
標準的には4年ですが、3年次編入なら2年で卒業可能です。仕事が忙しい時期はペースを落とし、在籍期間を延長して卒業するケースも珍しくありません。

通信制大学で使える学費サポート制度
通信制大学の学費をさらに抑えるために活用できる制度があります。
教育訓練給付金
厚生労働省の制度で、雇用保険に一定期間加入している方が対象です。指定講座の場合、学費の一部(専門実践教育訓練の場合、最大で受講費用の80%)が支給されます。
奨学金制度
日本学生支援機構の奨学金は、通信制大学の学生も利用対象になる場合があります。また、大学独自の奨学金制度を設けているところもあるので、入学前に確認しておきましょう。
単位の互換制度
短大や専門学校を卒業している方は、既に取得した単位を通信制大学の単位として認定してもらえるケースがあります。認定される単位数が多いほど卒業までの期間と費用を節約できるため、入学相談の際に確認することをおすすめします。
まとめ
通信制大学は、働きながら大卒資格を取得したい社会人にとってとても魅力的な選択肢です。放送大学なら約76万8,000円、東京通信大学なら約83万4,000円からと、通学制と比べて大幅に費用を抑えて学位を取得できます。
学びたい分野・学費・スクーリングの有無・卒業率を比較しながら、自分のライフスタイルに合った大学を選んでみてください。まずは複数の大学から資料を取り寄せて、じっくり比較検討するのが入学後の満足度を高めるコツです。


