「DXって何から学べばいいの?」「会社でDX推進を任されたけど知識がない…」そんな悩みを持つ社会人は少なくありません。DX(デジタルトランスフォーメーション)は今やすべての業界に関わるテーマであり、リスキリングの中でもDX関連スキルの習得は特に注目されています。
この記事では、DXを学ぶためのおすすめ講座を目的別に紹介し、補助金・助成金を使ってお得に受講する方法も解説します。DX人材を目指す方はもちろん、自社のDX推進に役立てたい方にも参考になる内容です。

そもそもDXリスキリングとは?
DXリスキリングとは、デジタル技術を活用してビジネスを変革するために必要なスキルを、新たに身につけることを指します。具体的には、AI・データ分析・クラウド・サイバーセキュリティ・IoTなどの技術的スキルに加え、デジタル時代の業務設計やプロジェクトマネジメントも含まれます。
経済産業省は「デジタルスキル標準」を策定し、DX人材に求められるスキルを体系化しています。企業がDXを推進するには、経営層から現場まで全社的にデジタルリテラシーを高める必要があるとされています。
とはいえ、いきなり講座に申し込むのは気が重いと感じる方も少なくありません。まずは1冊のDX入門書で用語と全体像を押さえておくと、講座を選ぶときの判断もしやすくなります。
DXを学べるおすすめの講座・サービス
DX関連の講座は多岐にわたりますが、ここでは目的別におすすめのものを紹介します。
入門レベル:DXの全体像を理解したい方向け
マナビDX(経済産業省・IPA)
マナビDXは、経済産業省とIPAが運営するDX学習のポータルサイトです。無料で受講できる講座も多数掲載されており、「デジタルスキル標準」に準拠した信頼性の高いコンテンツが揃っています。まずDXの概要を把握したいという方の最初の一歩に適しています。
Udemy「DX入門講座」
Udemyには「デジタルトランスフォーメーション入門」などのDX基礎講座が複数あり、動画形式で体系的に学べます。セール時にはリーズナブルな価格で購入できるため、手軽にDXの概念や事例を理解したい方におすすめです。
実践レベル:具体的なDXスキルを身につけたい方向け
Aidemy(アイデミー)
AidemyはAI・データサイエンスに特化したオンラインスクールで、Pythonを使った機械学習やデータ分析のスキルを実践的に学べます。専門実践教育訓練給付金の対象コースがあり、条件を満たせば受講費用の大部分が補助されます。
この手のスクールは課題の進みが速いため、Pythonでのデータ処理に一度も触れていないと最初の数週間でつまずきやすいです。受講前にPythonのデータ分析本を1冊眺めておくと、講義の吸収が早くなります。
スキルアップAI
スキルアップAIは、AI・機械学習分野に特化した教育サービスを提供しており、E資格(日本ディープラーニング協会)の対策講座も展開しています。法人研修にも対応しており、社内のDX人材育成に活用する企業も多いです。
データミックス
データミックスはデータサイエンティストの育成に強みを持つスクールで、専門実践教育訓練給付金の対象プログラムがあります。ビジネスの現場でデータを活用できる人材の育成に力を入れています。

法人向け:社内研修でDX人材を育成したい企業向け
Schoo for Business
Schoo for Businessは、動画研修の導入が手軽にできる法人向けサービスです。DX・AI・データ分析などの講座が充実しています。料金は契約するID数や内容によって異なるため、最新の情報は公式サイトで確認してください。研修の進捗管理機能も備わっています。
NEC「DXの基礎講座」
NECが提供する法人向けDX基礎講座は、eラーニングとオンライン集合研修を組み合わせた短期セミナー形式で学べます。IT企業ならではの実務に即した内容が特徴です。
ディジタルグロースアカデミア
ディジタルグロースアカデミアは企業向けのDX人材育成に特化した教育サービスを提供しており、全社員向けのDXリテラシー研修から、実践的なデータ分析研修まで幅広いプログラムがあります。
DXリスキリングで使える補助金・助成金
DX関連の研修は、国の補助金・助成金の重点支援分野になっています。主に以下の制度を活用できます。
- 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース):法人向け。中小企業は研修費用の最大75%が助成される(2026年10月時点)
- 専門実践教育訓練給付金:個人向け。受講費用の最大80%が給付される(年間上限64万円・2026年10月時点)
- リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業:個人向け。受講費用の最大70%が補助される(転職後1年間の継続就業などの条件あり・2026年10月時点)
- 東京都DX実践人材リスキリング支援事業:都内中小企業向け。従業員のDX研修費用を助成
特にDX分野の研修は国の重点領域として位置づけられており、他の分野よりも助成率が高く設定されているケースが多いです。法人であれば人材開発支援助成金、個人であれば教育訓練給付金やキャリアアップ支援事業をまず確認してみましょう。

DXリスキリングで学ぶべきスキル領域
DXと一口に言っても、必要なスキルは多岐にわたります。経済産業省の「デジタルスキル標準」を参考に、主な領域を整理しておきましょう。
データ活用
データを収集・分析し、ビジネス上の意思決定に活かすスキルです。SQLやPythonを使ったデータ分析、BIツール(Tableau、Power BI等)の活用が含まれます。
この領域で最初の壁になりやすいのがSQLです。社内のデータを自分で取り出せるかどうかで動ける範囲が変わるため、手を動かしながら進められるSQLの入門書から始める方も多いです。
AI・機械学習
AIの基本概念を理解し、業務に応用する能力です。画像認識、自然言語処理、生成AIの活用など、ビジネスの現場で使える実践力が求められます。
クラウド・インフラ
AWSやAzure、Google Cloudなどのクラウドサービスの基本的な使い方と、システム設計の考え方です。クラウド移行やサーバーレスアーキテクチャの理解も重要です。
セキュリティ
DXを推進する上で、サイバーセキュリティの知識は不可欠です。情報漏洩対策やゼロトラストセキュリティの概念、インシデント対応の基礎を身につけることが求められます。
DXリスキリングを成功させるコツ
目的を明確にしてから講座を選ぶ
「とりあえずDXを学ぶ」では、何から手をつけていいかわからなくなります。「データ分析ができるようになりたい」「AIを業務に導入したい」など、具体的な目標を決めてから講座を選びましょう。
学んだことを実務に活かす
知識のインプットだけでは定着しにくいです。学んだスキルを自社の業務課題に適用してみるなど、アウトプットの機会を意識的に作ることが重要です。
継続的な学習を習慣にする
DX分野は技術の進化が速いです。一度学んだら終わりではなく、生成AIやノーコードツールなど新しいトレンドにもアンテナを張り続けることが大切です。
とくに生成AIは業務での使いどころが日々更新されている領域です。実務での使い方をまとめた書籍を1冊通しておくと、社内で提案する際の引き出しが増えます。
講座の料金や補助金の対象範囲は変更される可能性があります。受講前に各サービスの公式サイトで最新情報を確認してください。

DXリスキリングに関するよくある質問
Q. DXのリスキリングは何歳からでも始められる?
年齢制限はありません。むしろ業務経験が豊富な方こそ、DXスキルを掛け合わせることで大きな価値を発揮できます。営業経験者がデータ分析を学んだり、管理職がAIツールの活用方法を身につけたりするケースも多いです。
Q. DX学習にプログラミングは必須?
DXの概念理解やツール活用のレベルであれば、プログラミングは不要です。ノーコードツールやBIツールの活用など、プログラミングなしでもDX推進に貢献できるスキルは多いです。ただし、より高度なデータ分析やAI活用を行う場合はPythonなどの知識が必要になります。
Q. 会社から指示されたわけではないが、個人でDXを学ぶ意味はある?
大いにあります。DXリテラシーは今後あらゆる職種で求められるスキルです。個人でDXを学んでおけば、社内でのDX推進プロジェクトに参画しやすくなるほか、転職時にも大きなアピールポイントになります。

DX学習で取得しておくと有利な資格
DXスキルを客観的に証明する資格を取得しておくと、社内での評価や転職活動に役立ちます。おすすめの資格を紹介します。
ITパスポート(IPA)
ITの基礎知識を幅広く問う国家試験で、DXリテラシーの証明としてコスパが良いです。非エンジニアの方でも合格しやすく、学習時間は100〜150時間程度が目安です。
G検定(日本ディープラーニング協会)
AIやディープラーニングの基礎知識を問う検定試験で、DX推進の文脈でAIリテラシーを証明するのに有効です。ビジネスパーソン向けの内容で、エンジニア以外でも受験しやすいです。
データサイエンティスト検定(DS検定)
データサイエンスの基礎的なスキルと知識を認定する検定試験です。データ活用に興味がある方は、DX学習と合わせて取得を目指すとよいでしょう。
DXリスキリングの第一歩の踏み出し方
「DXを学びたいけど何から始めればいいかわからない」という方は、以下の順番で進めるのがおすすめです。
- マナビDXで無料のDX基礎講座を1〜2本視聴し、全体像をつかむ
- 自分の業務に関連するスキル領域(データ分析・AI活用など)を特定する
- その分野のUdemy講座を1本購入して実際に手を動かしてみる
- 本格的に学びたいと感じたら、補助金対象のスクールの無料カウンセリングを受ける
最初から完璧なプランを立てる必要はありません。まずは無料の講座で試してみて、自分に合うかどうかを確かめてから次のステップに進むのが効率的です。
まとめ
DXのリスキリングは、経済産業省のマナビDXで無料の基礎講座から始め、目的に合わせてAidemy・スキルアップAI・データミックスなどの実践的なスクールにステップアップするのが効率的なルートです。法人であればSchoo for Businessなどの導入もおすすめです。
DX分野の研修は補助金の重点領域になっているため、人材開発支援助成金や教育訓練給付金を活用すれば、費用を大幅に抑えて学ぶことができます。まずは無料のマナビDXで概要をつかむところから始めてみましょう。


