「リスキリングしたいけど、スクールの受講料が高すぎて手が出ない…」と思っていませんか。実は、国や自治体の補助金・助成金を活用すれば、受講費用の最大80%が戻ってくる制度があります。知らないまま全額自腹で払ってしまうのは、本当にもったいないことです。
この記事では、リスキリングに使える補助金・助成金の種類や対象講座の探し方、申請の流れまでをまとめて解説します。これからスキルアップを考えている社会人の方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

リスキリングに使える補助金・助成金は主に3種類
リスキリングを後押しする公的な制度は、大きく分けて3つあります。それぞれ対象者や補助率が異なるため、自分に合った制度を見つけることが大切です。
1. 教育訓練給付制度(個人向け)
教育訓練給付制度は、雇用保険に加入している(または加入していた)個人が対象の制度で、厚生労働大臣が指定した講座を受講すると、受講費用の一部がハローワークから支給されます。3つの区分があり、それぞれ補助率が異なります。
- 一般教育訓練給付金:受講費用の20%(上限10万円)
- 特定一般教育訓練給付金:受講費用の40%(上限20万円)
- 専門実践教育訓練給付金:受講費用の最大80%(年間上限64万円・2026年10月時点)
とくに専門実践教育訓練給付金は補助率が非常に高く、プログラミングスクールやデジタル関連の講座でも対象になっているものが多いです。受講修了後に資格取得や転職に成功すると、追加で20%が上乗せされる仕組みです。
2. リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(個人向け)
経済産業省が実施するこの支援事業は、在職中の社会人がキャリアアップのためにリスキリング講座を受講する場合に、受講費用の最大70%が補助される制度です。対象となるスクールや講座は経産省の認定を受けたものに限られますが、プログラミングスクールやWebデザインスクールなど、IT系の講座が数多く認定されています。
テックアカデミー・DMM WEBCAMP・ヒューマンアカデミーなどの大手スクールの多くが対象となっており、受講費用が数十万円のコースでも実質10万円台で受講できるケースがあります。
ただ、費用のハードルが下がっても「IT用語がまったく分からないまま入って置いていかれる」のは避けたいところです。カウンセリングの予約を取るのと並行して、ITパスポートのテキストで用語の地図だけ作っておくと、講座の初回からついていきやすくなります。
3. 人材開発支援助成金(法人向け)
法人が従業員のリスキリング研修を実施する際に活用できるのが、人材開発支援助成金です。いくつかのコースがありますが、特に注目すべきは「事業展開等リスキリング支援コース」です。
中小企業であれば研修費用の最大75%が助成され、さらに研修時間中の従業員の賃金に対して1人1時間あたり1,000円の賃金助成も受けられます(2026年10月時点)。1事業所あたり年間最大1億円まで受給可能で、DX・IT関連の研修は重点領域として優遇されています。

補助金対象のリスキリング講座の探し方
「自分が受けたい講座が補助金の対象かどうかわからない」という疑問もよく聞かれます。対象講座を探すには、以下のサイトを活用するのがおすすめです。
教育訓練給付制度の対象講座を探す
厚生労働省の教育訓練給付制度 検索システムで、地域・分野・キーワードを指定して対象講座を検索できます。プログラミング・Webデザイン・データサイエンス・簿記・社労士など、幅広い分野の講座が登録されています。
キャリアアップ支援事業の対象講座を探す
経済産業省の認定を受けたスクール・講座の一覧は、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業のポータルサイトで確認できます。IT系のスクールを中心に、記事執筆時点で100校以上のスクールが掲載されています。
マナビDXで経産省認定のDX講座を探す
経済産業省とIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営するマナビDXは、DXに関する学習コンテンツをまとめたポータルサイトです。無料講座から有料講座まで幅広く掲載されており、「デジタルスキル標準」に準拠した信頼性の高い講座を見つけやすいです。

補助金対象になっている人気リスキリング講座の例
具体的にどんな講座が補助金の対象になっているのか、ジャンル別に代表的なものを紹介します。
プログラミング・エンジニア系
- テックアカデミー:はじめての副業コースやWebアプリケーションコースなど複数のコースがキャリアアップ支援事業の対象。補助金適用で実質10万円台から受講できるケースがある
- DMM WEBCAMP:転職保証付きコースが専門実践教育訓練給付金の対象。実践的なカリキュラムで転職成功率の高さに定評がある
- ヒューマンアカデミー:IT・プログラミングからデザインまで幅広い講座が教育訓練給付金の対象。全国に校舎があり対面受講も可能
この手のコースはPythonやJavaScriptを扱うものが多く、受講が始まるとかなりのスピードで進んでいきます。着席前に文法の雰囲気だけでも触れておきたい方には、薄めの入門書を1冊通してみるという手もあります。
DX・データサイエンス系
- データミックス:データサイエンティスト育成プログラムが専門実践教育訓練給付金の対象。実務に直結する内容で企業からの評価も高い
- Aidemy:AI・データサイエンス特化型のオンラインスクールで、複数の講座が給付金対象。Pythonを使った実践的なカリキュラムが特徴
- スキルアップAI:AI・機械学習に特化した研修プログラムを提供しており、法人向け研修にも強い
Webデザイン・クリエイティブ系
- デジタルハリウッド:Webデザイナー専攻や動画クリエイター講座などが給付金対象。業界とのつながりが強く就職支援も充実
- SHElikes:女性向けキャリアスクールで、Webデザインやマーケティングなど複数のコースを定額で学べる
補助金・助成金の申請の流れ
制度によって手続きは異なりますが、一般的な流れを押さえておきましょう。
教育訓練給付金の場合(個人)
- ハローワークで受給資格の確認を行う
- 対象講座に申し込み・受講を開始する
- 講座を修了する
- 修了後1か月以内にハローワークで支給申請を行う
- 給付金が指定口座に振り込まれる
この手続きでつまずきやすいのが、修了証明書や領収書といった提出書類の管理です。受講開始から申請までは数か月あくので、関係する書類はまとめて1か所に入れておくと、期限が来たときに慌てずに済みます。
キャリアアップ支援事業の場合(個人)
- 認定スクールの無料カウンセリングを受ける
- キャリア相談を受け、リスキリングの目標を設定する
- 対象講座に申し込み・受講を開始する
- 受講修了後にキャリア支援(転職支援など)を受ける
- 補助金が支給される(受講費用の最大70%)
人材開発支援助成金の場合(法人)
- 事業内職業能力開発計画を策定する
- 訓練開始の1か月前までに訓練実施計画届を労働局に提出する
- 研修を実施する
- 研修終了後2か月以内に支給申請を行う
- 審査後、助成金が支給される

リスキリング補助金を活用する際の注意点
補助金はとても魅力的な制度ですが、いくつか気をつけたいポイントがあります。
受給要件を事前に確認する
教育訓練給付金は雇用保険の加入期間に条件があります。一般教育訓練は1年以上、専門実践教育訓練は2年以上(初回は1年以上)の加入が必要です。退職後の場合は離職日から1年以内に受講を開始する必要があります。
対象講座は制度ごとに異なる
「教育訓練給付金の対象=キャリアアップ支援事業の対象」とは限りません。受けたい講座がどの制度の対象になっているかを、事前にスクール側に確認しましょう。
制度の期限に注意する
人材開発支援助成金の「事業展開等リスキリング支援コース」は、令和8年度末までの時限措置とされています(2026年10月時点)。また、キャリアアップ支援事業も予算の上限があるため、申し込みが集中すると早期に受付終了になる可能性があります。
補助金制度は年度ごとに内容が変わることがあります。申請前に最新の情報を公式サイトやハローワークで確認してください。この記事の情報は記事執筆時点のものです。
リスキリング補助金に関するよくある質問
Q. パート・アルバイトでも補助金は使えるの?
雇用保険に加入していれば、パート・アルバイトでも教育訓練給付金を利用できます。キャリアアップ支援事業も、雇用契約がある方(パート・アルバイト含む)が対象となっています。
Q. 複数の制度を併用できるの?
基本的に、同じ講座に対して複数の制度を併用することはできません。ただし、別々の講座であればそれぞれの制度を利用できる場合があります。詳細はスクールやハローワークに相談しましょう。
Q. オンライン講座でも補助金は使えるの?
対象講座であればオンライン受講でも補助金を利用できます。最近はオンライン完結型の講座も多く認定されており、地方在住の方でも受講しやすくなっています。
ただしオンライン受講は、自宅の生活音との戦いになりやすいです。家族のいる時間帯に講義を進める方には、周囲の音を抑えられるイヤホンがあると学習に切り替えやすくなります。
Q. すでに退職している場合はどうなる?
教育訓練給付金は、離職日から1年以内であれば利用できます(妊娠・出産等により受講開始が遅れた場合は最長20年まで延長可能)。キャリアアップ支援事業は在職中の方が対象のため、退職後は利用できません。

まとめ
リスキリングに使える補助金・助成金は、個人向けの「教育訓練給付制度」「キャリアアップ支援事業」、法人向けの「人材開発支援助成金」の3つが主な柱です。特にIT・DX分野の講座は補助対象になりやすく、受講費用の最大80%が戻ってくる制度もあります。
スキルアップしたいけれど費用がネックになっている方は、まずは自分が使える制度を調べてみましょう。厚労省の検索システムやマナビDX、各スクールの無料カウンセリングを活用すれば、自分に合った補助金対象講座が見つかるはずです。
制度によっては期限が決まっているものもあるので、気になった方は早めに情報収集を始めることをおすすめします。


